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【海外ドラマ】マンハントの感想 / 爆弾魔ユナボマーに対しての誤解

アメリカの犯罪サスペンス物の映画やドラマが好きな人であれば、「爆弾魔ユナボマー」を耳にしたことはあると思います。ただ、ユナボマーがどういう人物で、具体的にどういった犯行を行ったかまでは、日本では知られていないのではないでしょうか?僕は全く知りませんでした。
そんな爆弾魔ユナボマーを逮捕するまでの経緯をFBI捜査官目線で描かれた物語が、Netflixオリジナルドラマの「マンハント」です。

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ちなみに、「爆弾魔」と聞いてみなさんはどのようなイメージを持ちましたか?僕は派手好きで、目立ちたがり屋で、爆発に快感を感じる短絡的思考を持つ人物像を思い描きました。これは、刑事ドラマやサスペンス映画のイメージに強く影響されています。
ですが、ユナボマーことセオドア・カジンスキーはこういった人物像とは真逆の人物です。このドラマは、ユナボマー事件を知るとともに、セオドア・カジンスキーの孤独の一端を感じとれる作品になっています。また、物語としては、FBI捜査官でプロファイラーのジム・フィッツジェラルド視点で描かれるため、いかにしてユナボマーを追い詰めたか、またフィッツジェラルドが捜査にのめり込んでしまい、彼自身も闇に囚われてく様も本作の見どころの一つです。

「深淵をのぞくとき、深淵もまたこちらをのぞいているのだ」

マンハントを見ているとき、この言葉を思い出してしまいました。そんな二人の人生が描かれたマンハントに、ハマりにハマってしまいましたが、一体何が面白いかを書いていきます。
マンハントは、事実をもとにしたドラマです。そのため、セオドア・カジンスキー逮捕を含めた内容は周知の事実とも言えますが、以下感想はドラマのネタバレを含んでおります。そのため、本文を読まれる際はこの点をご了承ください。

 ユナボマーことセオドア・カジンスキーの思想

そもそも僕はユナボマーの知識は皆無と言っていい状態で、マンハントを見始めました。ユナボマーは17年間に16個もの爆弾を送り付け、死者3名負傷者多数の事件を起こしたアメリカ史上最悪の爆弾魔です。当初の犯行では大学と空港を狙っていたことから、「University」(大学)と「Airline」(空港)の頭文字を取り、「Unabomer」とFBIが名づけました。

冒頭でも述べたように、僕は「爆弾魔は、爆弾で何かを破壊すること自体が犯行の目的」と思い込んでいましたが、ユナボマーことセオドア・カジンスキーは違いました。彼には彼なりの思想があり、犯行声明文「産業社会とその未来」もFBIや新聞各社に送り付けていたのです。また、セオドア・カジンスキーは俗世間から離れ、一人山小屋で電気もガスもない生活を送っていました。僕が思う爆弾魔のイメージとはかけ離れており、その分セオドア・カジンスキーに興味がわき、物語の奥深くへ引き込まれていきました。
物語終盤にはセオドア・カジンスキーの生い立ちが描かれており、彼の孤独の一端を垣間見れるエピソードになっています。正直、何かしら過去にトラウマ級の事件があったわけではなく(あったといえなくもないですが、あの体験はやめようと思えば自らやめれたはず)、セオドア・カジンスキー自身はIQ167の頭脳の持ち主でハーバード大学を卒業し、明るい将来が待っていたように思えます。何がセオドア・カジンスキーをアメリカ犯罪史上最悪の爆弾魔ユナボマーに変えてしまったのでしょうか?僕には本作を最後まで見ても、結局のところ理解できませんでした。

ユナボマーを追い詰めたジム・フィッツジェラルドFBI捜査官と捜査手法

17年間もの間、FBIを始め各捜査機関を翻弄し続けたセオドア・カジンスキー。そんな彼をどのように追い詰めたかというと、なんと「言語」です。
ユナボマーが新聞各社に送り付けた犯行声明文の論調から、フィッツジェラルドはセオドア・カジンスキーにたどり着きます。あくまで雰囲気ですが、この捜査過程は映画「ゾディアック」を彷彿とさせました。なので、「ゾディアック」のような人の心理に迫るサスペンス好きであれば、興奮すること間違いなしだと思います。
なお、ジム・フィッツジェラル捜査官は実在の人物で、現在は「クリミナル・マインド」などのアドバイザーをしているようです。

気になるシーズン2は?

公式にはまだ何も発表がありません。しかし、シーズン1を見終わった限り、物語としては完璧に完結しています。そのため、シーズン2があったとしても「True Detective」などのように全く異なる物語としてスタートすると思います。この推測の理由として、正式タイトルが「Manhunt: Unabomer」となっているからです。
あくまで勝手な僕の推測ですが、シーズン毎に取り上げる事件を変えていくのではないのでしょうか?例えば「Manhunt: charles manson」みたいな。これ、半分僕の願望も入っているのですが、可能性は0ではない気がします。。

というように、本作は最高に面白いです。そして、本作を通じてユナボマー事件を様々な角度から知ることができます。
僕が本作を高く評価する理由の1つとして、「被害者の痛みを描いているため」です。ユナボマーの犯行の被害者達がセオドア・カジンスキーに心情を訴えるシーンがあるのですが、このシーンによってユナボマーをヒーローではなく、きちんと犯罪者として描いていると思います。僕にとって、ここ重要でした。

ただの娯楽作品には収まらない「Manhunt: Unabomer」。サスペンス好きには超おすすめ作品です。
しかし、Netflix製作ドラマはどれもクオリティーが高すぎてビビりますね。他にもNetflix製作ドラマでおすすめ作品があるので、今後当ブログでご紹介していきます。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。